S・S・S









「トウマさんって、絶対サラちゃんのこと好きだよね。」



大崎くんの思いも寄らない一言に
ぶはっ!!と吹いたのは午後6時。


食堂で若手3人―…大崎くんと、モモと、あたしで一緒に夕飯を食べてる最中だった。





「い…やいやいやいや、ななな何言ってんの、大崎くん。」


「そぉよぉ!大崎くん。あ、の、トウマさんが、サラちゃんなんて一般人、好きになる訳ないじゃなーい!?」



――…いや待て、そこまでは言ってない。


しかも、サラちゃん“なんて”ってどーゆー意味だ、この脳内ピンク女。



―――…


言葉に棘のあるこの子は、モモ。

本業はモデルなんだけど、プロモーション活動の一環でこのゲレンデに来てる。


ま、いわゆる“大手芸能事務所のチカラ”ってやつ。



若手って言っても、

例えば、アルバイトしながらコミュニティFMで喋って、真剣にプロを目指してる大崎くんとは、かなり対照的だ。






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