S・S・S


「だから、トーマスには最初から釘を刺しておいた。無理矢理、キミをメンバーにねじ込んだあの最終オーディションの時にね。…もっとも、わたしが言わなくても彼自身分かっていたことだろうが。有望な新人に手を出す、なんて現場責任者のすることじゃないからね。」

「手、なんて…出されてません。あたし達、そういう関係じゃないし。」

どこか弱々しい反論になってしまうのは仕方ない。実際手を出され(かけ)た時は、彼は寝ぼけていて記憶が無いし、だからといって本心では、そういう関係にあたしはなりたいんだし。


「でも、好きなんだろう?」

「ええ、好き……………………………………………………………って、ええっ!?」


ドサクサに紛れて何言わせんのよこのおっさんーーーーー!!!


「違う違う違うっ!いまのナシっ!!わーっ!わーっ!!いまの違うんですっ!!」

本人に言う前にボスに言っちゃったじゃないかーーーー!!!(しかも禁止って言われたそばから)何やってんのあたしーーーー!!!!

< 396 / 452 >

この作品をシェア

pagetop