S・S・S


「ぶっ…… HAーHAHAHAHAHAHA!!!」

堪え切れない、といった感じに吹き出したあと、烈火さんの爆笑が部屋に轟く。
…また、笑ってる?

な、何がおかしいんだバカヤロウっ!!
あーーーなんかだんだん、腹立ってきたっ!!もうやだ!このひと嫌いっ!!!


「ちょっと何がおかしいんですかっ!?もう、烈火さん!あたし、真剣なのにっ!!」

全部知ってるよって顔して、ヒントだけこっちにチラ見せして、でも恋愛は禁止で、あたしの気持ち知ってて笑うなんて…

鬼!
鬼の上司は、やっぱり鬼だ!!


「ふふふ、そう怖い顔で睨まないでくれ。わたしの立場ではこう言うしかないんだ。個人的な想いで会社の業績を悪くするようなことは出来ない。ただ…」

「ただ、?」


烈火さんは一旦口を噤んで、とんでもない条件を出してきた。



「…キミが内定辞退すると言うのなら、話は別だ。」

「ない、てい、、じ、たい?」


全然働かない頭でなんとか漢字変換してみる。【内定、辞退】。
そんな…そんなバカな話、あるもんか。


「キミはトーマスが好きなんだろう?わたしはその気持ちまで否定するつもりはない。トーマスが初めて他人に執着を示したんだ。わたし個人的には、キミの恋を応援したい。だが…」

すべてを受け入れることは出来ない、と烈火さんは眉を寄せながら、でもしっかりとあたしに告げた。

しかし私としては、ぜひともキミが欲しいんだ、とも。



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