S・S・S




“本番10秒前でーす!8、7、6…”


カウントダウンに、鼓動が重なる。




“3、2、1………”


――――…キュー!



『おはようございまーす!

12月19日、日曜日!時計の針は10時を回りました!DJのサラです!
みんな、今日も、元気にゲレンデを駆け回ってるかな!?

ここ、センターハウス2階のDJブースは、白い雪の照り返しでめっちゃ眩しいです!

さぁ、昨夜からの積雪でゲレンデコンディションは最高潮!ということで、今日もめいっぱい、楽しんでいきましょう♪

と、いうことで… このあとお昼12時まで、ナビゲーションは、DJサラです、よろしくね!』


あたしの合図で、スキー場のご機嫌な朝にマルーン5が響き渡る。




――…なんて、気持ちいいんだろ。



昨夜降った雪が丁寧に圧雪され

今朝はスキーヤー、スノーボーダーにとっては最高の朝だ。




ガラス張りのDJブースにいるあたし向かって、リフト待ちのお客さん達が手を振ってくれる。


今年で3年目になる“ゲレンデDJ”は、すでに常連さん達にはお馴染みで、ここのスキー場の名物だ。









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