S・S・S






「おっはようございますっ!安藤サラ22歳、本日最終日です!みなさんよろしくお願いしまーすっ!!」

シラカワでの最後の日。
勢いよくDJブースの扉を開けた瞬間、その場にいた全員が振り返りざまに大声を上げた。


「………ってぇぇえええええーーーーーーーーーーーーーーーっ!?うそっ!!」
「ちょ…っ!」「マジでぇっ!?」


首まわりのヒンヤリした空気とともに、この反応。うーん、実に爽快。


「さ…ささ…サラちゃぁんっ!!かっ…髪!髪の毛!!髪の毛ーーーーー!!!どぉーーーーしたのそれっ!?」


灯歌ちゃんが駆け寄ってくる。
大きい目をこぼれ落ちんばかりに見開いて。


「あははっ!!似合う?勇気要ったわぁ、こんなにバッサリ切ったの初めてだったから。」

「にっ…に、似合いますけどっ!!活発なサラちゃんにはむしろこっちの方が合ってる気がしますけどっ!!どうしてこんなイキナリ…。わざわざ街の美容院行ってきたんですか?バスに乗って??」

「まったくよねぇ?もっと言ってやってよ、孫さん。この子ってば、誰にも言わずに一人で山を降りてってさぁ。一体、何があったのかって聞いてもだんまりで。帰ってきてからずーっと、すんごい怖い顔してるんだからー。」

「サエさん……」


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