S・S・S


まだ何か言いたそうなトウマを背に、レコード室に逃げ込んだ。


あーっ!!あたしのバカバカ!!
あんな、宣戦布告みたいにしてどーーーすんのよっ!?


けど、でも、だって。


「傷ついたみたいな顔、するんだもん…」


彼にあんな顔をさせるSarahさんは、一体どんな女性だったんだろう。金髪で、長い髪で、きっととても優しくて…


『彼はいつも、幸せだったんだ』


烈火さんの言葉が蘇る。


ああ、ダメだ。
考えないようにすればするほど、どんどん妄想が膨らんでいく。


Sarahさんとトウマの在りし日の様子を想像したら、ずきりと胸が痛んだ。


< 408 / 452 >

この作品をシェア

pagetop