S・S・S
まだ何か言いたそうなトウマを背に、レコード室に逃げ込んだ。
あーっ!!あたしのバカバカ!!
あんな、宣戦布告みたいにしてどーーーすんのよっ!?
けど、でも、だって。
「傷ついたみたいな顔、するんだもん…」
彼にあんな顔をさせるSarahさんは、一体どんな女性だったんだろう。金髪で、長い髪で、きっととても優しくて…
『彼はいつも、幸せだったんだ』
烈火さんの言葉が蘇る。
ああ、ダメだ。
考えないようにすればするほど、どんどん妄想が膨らんでいく。
Sarahさんとトウマの在りし日の様子を想像したら、ずきりと胸が痛んだ。