S・S・S
もはや勝手な妄想はスピードメーターを振り切っていて。
裸のまま近寄って、彼を揺り起こしたバカは、あたし。
だけど。
ねぇ。
・・・それって、あたしが悪いの?
(てゆーか、この、状況…
ちょっと…美味し……
ち、違っ……
そんなこと、チラリとも思ってません!)
「――――… ぁ?」
気怠いような甘い声が、耳に届く。
あたしが揺らしたせいで顔からずり落ちた白いタオルが、お湯に沈んでいった。
ゆっくり目を開いたその、人は。
「―――… 生き、てる…」
――… あたしの、誰より、好きなひとだった。