S・S・S
「――――…Sarah…」
――… これは、何の冗談だろう
どういう、こと?
どうして、こんなに簡単に
トウマは…あたしにキスをする?
嘘だよ。
こんなの、夢に決まって……
否定する間もなく
次のキスが降りてくる。
「やっ……ちょ…っ……」
お願い、待って。
頬を滑らせて髪を撫でる、その右手を、とめて。
そんな風に、あたしに触れないで。
何か考えなきゃいけないのに
何も、考えられなくなっちゃう。
抵抗していた身体も、力が抜けていって。
唇も、頬も、首筋も
トウマが触れるところ全部が熱くて、どうにかなってしまいそうだった。