S・S・S



―――― コンコン ――――




上品なノック音が、部屋に響いた。







「はい?」

「……… 俺だけど。」








―――… って… 








「トウマっ!??」




慌ててサエさんを見ると、片方の目を綺麗に瞑ってウィンクを決めていた。


「あたしが呼んだのよ。」






―――――…って。






いやいやいやいやいやいやいや。






あーーーーー、それ。

それね、ああ、

うん、気を利かせてくれたんだよね、わかるわかる。



でもね、サエさん、それ

今朝に限っては、

めっちゃ、でっかい、お世話です!








ど…


どーーーーーしよう。




こんな

心の準備もなにもなく

いきなり現実に向き合わなくちゃいけないなんて。


ヒドイ。酷すぎる!





熱も一気に冷める心地で起き上がったあたしの前に、

お構いなしの冷酷大魔王は、今朝も絶好調で降り立った。








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