S・S・S
「…… やる気なら、あります。」
「なら。いいか、覚えとけ。
どんなことがあっても、仕事に、穴を開けるな。」
「――――… え?」
「いまも。インフルエンザじゃないんだろう。多少の熱なら、出ろ。」
だっ―――…
「誰のせいだと、思ってんのよ!!」
思わず口から出てしまった言葉を
しまった、と後悔するけれど
でも… それって、あたしのせいなの?
アナタのせいでしょーーーが!!
「……… 誰の、せい… ?」
ほら、ね。
思いきり、不可解な顔をされてしまった。
眉をひそめたいのは、こっちだっつーの!
でも、これで分かった。
トウマ、完全に記憶が飛んでる。
昨夜のことなんて何も覚えてないんだ。
あの、目も、腕も、柔らかく撫でる手も
全部、“夢”だったって、そう言うの?