幸せの在りか
「…い…従兄?私は誠の従妹なの?」
誠に目をやるとテーブルに肘をつけて、指を組んだ手におでこをつけている。
「どうしたの?私が従妹だと…嫌…なの?」
ゆっくりと振り向いた誠の目には涙が溜まってる。
いきなり引き寄せると力一杯抱き締められた。
「嫌な訳ないだろ。…馴染みのない親戚をたらい回しにされて、一緒に住んでても、いつも一人で厄介者扱い…。
両親が亡くなってから幸せだったのは、田舎に住んでた時だけだ。」
「…誠も辛かったんだね…。」
誠をギュッと抱き締め返した。
複雑に絡み合った糸が解けていくようだった。