幸せの在りか


無事三年生に進級でき、進路の選択をしていかなきゃいけない年になった。

考える事は一杯あるけど、その前にどうしてもしたい事があった。

「私ね…行きたいとこがあるの。」

「ふーん。誰と?遅くならねーなら行って来いよ。」

「いや…そうじゃなくて、連れて行って欲しいの。誠に。」

「は?俺?どこに?」

「大分。」

「何でまた急に。」

「急にじゃないよ。ずっと考えてた。私も誠も、ずっと田舎に行ってないでしょう。おばあちゃんのお墓とか、どうなってるのか知りたい。」

「…そうだな。墓参りぐらいしねえとな。俺も行き方知らねえから調べとくよ。」

「ありがと。」


こうして大分へ向かうことになった。




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