幸せの在りか
誠は三日間の休みを取り、二人で田舎へと出発した。
電車を乗り継ぎ、何時間もかけて着いた場所はローカル線の無人駅。
途中、交番を見つけておばあちゃんの家を聞いてみたけど、十年以上も前のこと。結局何も分からなかった。
そこからバスに乗り、山の中へと進んで行った。
バスを降りるとそこは一面、畑、畑、畑。民家なんか見当たらない。
今日中に着くのだろうか…。
朝早く家を出たのに、今はもう三時を過ぎていた。
「ねえ、…いつ着くの?」
「まだこっから2kmは歩く。ほら、座ってないで行くぞ。日が暮れる前には着かねーと。」