幸せの在りか
はあ――。深いため息が漏れる。
「今夜、どこに泊まるの?ご飯は?」
「…わりーな。そこまで考えてなかった。何とかなんじゃねーの?」
「えー!?」
疲れがどっと出た。
「もうやだ。何でこんなド田舎なの!?どうやって生活してんだろ?ここの人は…。」
「文句言ってないでほら。手貸せ。」
差し出された手に、手を重ねた。
大きな手がしっかりと、力強く引っ張ってくれる。
重い足を引きずりながら、何とか歩を進めた。
30分は歩いただろうか。畑仕事をしている人を見つけた。
「すみませーん。この辺りにー、ササガワフクさんていう人の家、知りませんかー?」