幸せの在りか


「さあ?知らねえなあ。」

「12~13年前に亡くなってるんですがー。」

「ああ。それならこっから1km先にハラダさんて家があるから、そこで聞いてみな。」

「ありがとうございますー。」

後…1km…。

気力で何とか歩いた。

着いたー、と言ってもあくまでここはハラダさん家。おばあちゃんの家じゃない。

「ごめんください。」

「…はい。どなたさんで…?」

「ササガワフクさんの家を探してるんですが、ご存知ないですか?12~13年前に亡くなってるんですが…。」

「え…?フクさんの家…て。…あんたたちは?」

「フクさんの孫です。俺は星崎誠。こっちは…。」

「…聖良です。」

「…ち…ちょって待って…。」

その人は慌てた様子で家の中へ戻って行き、しばらくすると、私たちを招き入れてくれた。




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