幸せの在りか
覚えてるよ。でも甘えちゃいけないと思って、必死になって頑張って言ったのに、そんな事言われたら決心が鈍るじゃんか。
「うん、忘れた。忘れたから離し…。」
「黙れ!」
ああ。本気で誠を怒らせてしまった。ごめん。でも私の気持ちも分かって…よ…。
乱暴に唇を塞がれた。
何これ…。どういう事?誠は私の事…好きなの?
唇を離すとまた強く抱き締められた。
「好きでもないのにキスしないで。余計に傷つく…。」
「…好きでもない奴にこんな事するか!」
「私は…分かんない。誠の事好きなのかどうか…分かんない。今まで抱きついたり、手繋いだりしたけど、それは家族としてなのか…恋愛対象としてなのか…。教えてよ。」
「じゃあ、試してみる?」