幸せの在りか
「おい。何だよ、この荷物の多さは…。こんなに持ってったら寝るとこないぞ。」
「えー、だってお洒落な服もいるしー、化粧品もいるしー。」
「そんなもん要らねえよ。普段着で充分。化粧品も置いてけ。」
「ダメダメダメ。絶対いるー。」
「そんなお洒落してどこ行くんだよ。金もないのに。化粧もしなくていい。お前、高校生だろが。」
「えー。そんなあ。」
「着替えは多くて4日分。それ以上は駄目!」
「もう!女の子の事情も理解しろっての。いつも同じ服なんか着れるわけないじゃん。」
「…お前の住むとこはどこなわけ?そんな広かったか?」
「…広くない。」
「じゃあ、置いていけ。」
「…分かったよ。頑固親父…。」
「何だと!?」
「べーだ。」