幸せの在りか
6.新しい生活
食事をしている時、何となく気になった事を聞いてみた。
「あの…。」
「何だよ?」
「私…名前教えたよね?」
「うん。」
「何でいつも『お前』て呼ぶの?」
「え…そうだっけ?」
「うん。」
「ふーん。意識なんかしてねーや。…そういやお前…あ、本当だ。」
プー、クックックッ…
「ほら言った。」
「お…お前だって俺の事、『あんた』とか『ねえ』としか言わねーじゃん」
「だって…年上だし、何て呼べばいいのか分かんないんだもん。あ、じゃあさ、何て呼んで欲しい?誠さん…とかまこちゃん…とか?」
ブッ。
「味噌汁吹いちまったじゃねーか。気色わりーな。そのまんまでいいよ。」