幸せの在りか
「誠…て呼び捨て…?」
「んー、何か偉そうに聞こえるけど…。ま、いいや。じゃあ、お前は何て呼ばれたい?」
「聖良。」
「そのまんまじゃん。ニックネームとかねーの?」
「うん。そのまんまがいい。この名前気に入ってるんだ。」
「ふーん。んじゃ聖良、早く食え。冷めるぞ。」
顔を見合わせて笑った。
夜、寝る前に誠が言った。
「あ、忘れてたけど、今日、布買っただろ?」
「うん。」
「あれ、上下10cm位上げといて。ミシンないから手縫いになるけど。」
「いいけど、何するの?」
「んー、ま、頼むわ。それと、明日7時出勤で6時には家出るから。帰りは8時くらいになると思う。ちゃんと遅れないように学校行けよ。」
「分かった。おやすみ。」
「おやすみ。」