幸せの在りか


昔、ほんの数日だったけど、田舎で預かってもらったことがある。

どういう繋がりの人だったのかは分からない。

でもそこでは温かく迎え入れてくれて、可愛がってもらった。

近所の子供たちともすぐ打ち解けて仲良く遊んだ。

その時の季節は夏で、ある夜、なかなか寝付けなかった私をおばあちゃんがおんぶして、川の側まで連れて行ってくれた。

「あれが天の川だよ。」

見上げた空には、今にも空から零れ落ちそうな程の星が瞬いていて、

おばあちゃんが指差した先は煙るように白くなっていた。




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