幸せの在りか
6.クラスメート
扉の鍵が、カチャ…と鳴ったような気がして目が覚めた。
握り締めていたケータイで時間を見ると8時。
…8時ー!!キャー、遅刻する。ちゃんと行けって言われたのに…。
慌てて布団から出ると、その場でパジャマを脱ぎ捨てて、着替え始めた。
――着替え終わって、顔を洗おうと台所へ向かうと、扉の前で靴も脱がずに突っ立ったままの誠がいた。
顔を洗いながら、
「あ、おかえり。ごめん、遅れそうだからほったらかしで悪いけど…行ってきます。」
と家をでた。
後に残った誠は、聖良のあまりの勢いに呆気にとられ、呆然として、「せめて布団ぐらい片付けろよ…。」と呟いた。
あー眠…。面倒くせえなあ。もういいや。このままあいつの布団で寝よ。
ジャンパーを脱いで、そのまま布団に潜った。
あれ…甘い匂いがする。あ…そっか。あいつの匂いか…。
そのまま眠りに落ちていった。