ホントのキモチ 〜あなたに伝えたいこと〜

｢……なんで？｣



こんな弱気な村沢…
初めて見たよ。



私は驚きながらも、その理由が気になって、再び村沢に聞いてみた。



｢なんでって……無理だから。｣



だんだん声が小さくなっていって、全然村沢らしくない。



｢やる前から無理って決めつけんの？そんなの…ﾀﾞﾒだよ。村沢、言ったじゃん。人間はやる気になれば何だって出来んでしょ？｣



どうして…
励ましてるんだろう？



村沢の恋が上手くいけばいいなんて、更々思ってないのに──



でも…
なんだか、こう言わなきゃいけない気がした。



｢比べちゃﾀﾞﾒかもしんないけど……私、村沢にそう言われてから勉強頑張った。そしたら、見違えるくらいに勉強出来るようになった。ま、受験ﾚﾍﾞﾙにはまだ程遠いけどね……だから、恋も同じなんじゃない？｣



私なりの…結論。



自分の恋が叶わないものなら、せめて……相手の幸せを願いたい。