ホントのキモチ 〜あなたに伝えたいこと〜
よく出来てた。
やっぱり…
小説だって、思った。
そんな都合良く、好きな先生が告白なんてしてくる?
『好きだ』って…
言ってくれる?
あり得ないよ……
実際、生徒は生徒であって、先生の恋愛対象にすらなれないものなんだ─
この想いは…
私の一方通行だもん。
「……秋山!!」
「え……っ?な、何?」
そんなことを考えていると、急に大きな声で名前を呼ばれた。
「正木先生…帰って来たぞ。用事、あるんだろ?」
あ…そうだった。
「…本当だ。じゃあ……またね、先生。」
担任を待つ間、話し相手になってくれた田所先生にそう言って、私は担任のところへ行った。
「正木先生。」
「あ…秋山さん。ごめんね、待たせちゃって……」
担任は私に謝った後、机の上に山積みにされた資料の中から、何かの封筒を引っ張り出した。
「あの……話って?」
その封筒が何なのかも気になるけど、話の内容も気になる──
「あぁ……それはね、」
「……指定校推薦。」