ホントのキモチ 〜あなたに伝えたいこと〜
「はい次、秋山〜!」
名前を呼ばれ、私は村沢から答案用紙を受け取る。
「…えっ?」
それを広げてみると、予想外の点数が書いてあった。
嘘…
冗談でしょ?
「美咲、何点だった〜?」
これは村沢の採点間違いだと疑っていると、夢芽が私の答案用紙を覗き込んだ。
「…げっ!?うっそ〜!私、普通に負けてんじゃん…美咲、何でそんな点数いいの?」
夢芽も驚く点数…
私の理科の点数は、86点もあったのだ。
中学時代、あんなに苦手だった化学分野が今回のテスト範囲だったのに─
それに、私はテスト前に理科の勉強は30分程度しかやっていない。
授業も真面目に受けてないのに…
その後、再三確認しても採点間違いは見つからず…
初めてのテストは、大嫌いな理科が一番という、何とも不思議な結果に終わった。