ホントのキモチ 〜あなたに伝えたいこと〜
私の名前を呼ぶその声は、毎日聞いている『あの人』のもの。
そう……
村沢だった。
教室の前のドアから私を呼んだ村沢は、私の姿を見つけると、笑顔で手招きをした。
でもなんで…
下の名前なの?
今までずっと『秋山』って呼ばれてたから、違和感がすごい……
まぁ……
嫌じゃ、ないけど。
「……なに?」
クラスのみんなの視線を浴びながら、私は村沢のところへ歩いて行った。
「あぁ…この後6組で授業だからさ、ついでに言っとこうと思って。今日の補習だけど、会議があるから…少し遅れる。ごめんな?」
そんなこと…
後でいいじゃん。
それより……
「わかった。ねぇ…村沢。」
「ん?」
「さっき……なんで、下の名前……呼んだの?」
おかげでクラスみんなの注目浴びちゃったじゃん─
恥ずかしい……