ホントのキモチ 〜あなたに伝えたいこと〜
「あぁ……だってこのクラス、秋山が2人いるだろ?だから。」
え……?
「いつもみたいに『秋山』って呼んだら、2人反応するだろ?俺が用事あるのはお前だから、下の名前で呼んだの。『美咲』だったらお前1人じゃん。」
そうか…そうだった。
うちのクラスには、もう1人『秋山』という男子がいる。
担任はさん付けとくん付けで呼び分けてるけど、村沢は呼び捨てだもんね……
「びっくりした?」
「…え?あぁ…そりゃ〜、ね。」
別に特別な意味なんてないのはわかってたし、びっくりしたけど、正直…嬉しかった。
「なんか……彼女みたいだな。」
「え!?!?」
ちょっと…
村沢、何言ってんの…?
「な〜んてな!冗談だよ。じゃ、また後で。てか…これも彼女みたい……」
そう言って、村沢は1人笑いながらその場を去って行った。