ホントのキモチ 〜あなたに伝えたいこと〜
「今日は……帰るか?」
こんな私を見て、村沢は何を思ったのか、そう言った。
「疲れてるなら無理するなよ。指定校のこともあるし……な?」
疲れてる…
そう思われたのか。
あながち間違ってないかも─
「いや…いい。」
帰る必要はない。
今の私にとって、勉強することは何よりも大事なことだから……
「え…でもっ、」
「…大丈夫だよ。もう……大丈夫。」
私は伏せていた顔を上げ、涙を拭って村沢を見た。
優しい村沢は、私を心配そうに見つめていた。
「何か……あった?」
「…ううん。」
曖昧にそう言って、私はさっき投げたものとは別のシャーペンを手に持つ。
「何もないなら泣かないだろ……秋山、正直に言えよ。」
村沢………