ホントのキモチ 〜あなたに伝えたいこと〜
合格がわかったのは、厳しい寒さが身に堪える冬の日のことだった。
「秋山、おめでとう!!」
そう言って、真っ先に私の合格を祝ってくれたのは、私の大好きな人……村沢だった。
「…あ、ありがと。」
でも…
そんなに喜ばなくてもいいんじゃないのかな?
だって、指定校は受験前から大抵の人が合格決定なんだし─
「なんだよ〜…せっかく合格したってのに、秋山…なんか暗いぞ?もっと喜べよ〜!」
いや…
冷静なだけだよ。
しかも、喜べない。
だって、私は合格したこれからが本番なんだから…
自分の学力より上の大学に合格しちゃったし、何より理系だし……
今から勉強頑張らないと、大変なことになるもん。
「村沢……」
「ん?」
「勉強……しようよ。」