ホントのキモチ 〜あなたに伝えたいこと〜
「……出来たよ。」
数十分後──
落書き用ノートの見開き2ページ分を使い、ようやく描き終わった。
「お!どれ…見せて。………うわぁ〜、何これ?超可愛いじゃん!!」
ノートごと村沢に渡したら、村沢はびっくりするくらいの反応を見せた。
「そ…そうかな?」
「うん。あ、俺発見!!」
嬉しそうにノートを見つめていた村沢が、また大声を上げた。
「へぇ〜…秋山の手にかかれば、俺ってこんなに可愛くなるんだな……」
実物とは大違いだ。
そう言った村沢は、私の方を見て笑った。
「そんな……急いで描いたから、出来悪いよ?」
「え?なんで…これでも十分じゃん。他の先生の絵も、特徴捉えてるし…」
可愛い。
村沢はその言葉を何度も言ってくれた。