ホントのキモチ 〜あなたに伝えたいこと〜
マ、マジか……
俺…
いつか殴られるんだ─
「だから…早くどっか行こ?お父さんには、卒業式の2次会で友達の家に行くって電話しといたから。」
「…わかった。」
俺に会うために…
そんな嘘を付いたのか。
何とも用意周到な美咲を助手席に乗せ、とりあえず行くあてもないドライブが始まった。
「美咲……」
「ん?なに?」
「お前、お父さんと……2人暮らしなんだな。」
初めて知ったよ。
「あ…言ってなかったっけ?でも…気にしないでね。」
「え……?」
「こんなこと言うと…すぐ気遣われるから。私…嫌なの、そういうの。」
そう…なんだ。
「また今度…詳しく話すから。…今は、何も聞かないで。」
「あぁ…わかった。」
これから見えてくるであろう、美咲のいろんな姿。
俺はそれを全部ひっくるめて、美咲を『好きだ』と言いたい。
…守ってやりたい。