ホントのキモチ 〜あなたに伝えたいこと〜
ろくにカバンの中を見ずに取ったのが悪かった…
ま、いっか…別に。
せっかく取ったし、私は生物の教科書を広げ、ワークも出して生物の勉強を始めた。
「ねぇ、先生。ここさ…どうやってやんの?」
「ん?あぁ…これはだな、ここがこうなってるから……」
そんな私の隣で、村沢と夢芽は化学の勉強中─
多分、村沢は夢芽が化学を教えてもらう為に呼んだんだろう。
ふと見ると、村沢の顔は生物の授業で見るよりも、なんか楽しそうだ。
やっぱ…
専門だからかな?
「…よし、正解!江藤、この調子で次の問題やってみろ。俺の助けなしで!」
俺の助けなしで…
またそんなセリフ言っちゃって…バカみたい。
「秋山は?どう、生物。」
夢芽が問題を解いているから暇なのか、村沢は私に話しかけてきた。
こりない奴……