ホントのキモチ 〜あなたに伝えたいこと〜
「ん?あぁ…ほら、春休みの課題考査の時!俺、お前のクラスの数学の試験監督、したろ?」
そう…だっけ?
「…見たのはその時だよ。結構最近だし、覚えてたって訳。」
そうなんだ…
なんか怪しいけど…
まぁ、いいや。
「それ…大事なものなのか?」
「えっ…?」
「あ…いや、なんとなく。」
「…大事だよ。これ、私の勝負ペンなんだ…中学の卒業式の時に、担任に貰ったの。『絶対これで受かる!受験、頑張ってこい!』って…」
村沢に聞かれ、私はついこのペンのことを話してしまった。
「そっか…じゃあ、そのペンのおかげもあって、今秋山はここにいるのか。」
「…かもね。」
村沢と世間話をするなんて、1年の時の自分からは想像もつかないことだ。
なんか…
悪かったな─