ホントのキモチ 〜あなたに伝えたいこと〜



大した理由もないのに、村沢を避けたり、会う度に『嫌いだ』って言ってみたりして…



結構…傷付けた、かな?



「秋山……?」



でも、今更そんなこと思ったって、素直に『ごめんなさい』なんて言える訳がない。



「秋山、大丈夫か…?」



「えっ…!?あ、うん…大丈夫、大丈夫。ちょっと…考え事、してただけ。」



急に罪悪感に苛まれ始めた私は、村沢の顔もろくに見れなかった。



なんか私…
昨日からおかしい。



「シャーペン、拾ってくれてありがと。じゃあね!」



こんな時は逃げるに限る!



私は村沢にそれだけ言って、走って職員室から出た。






その時、今までも十分大事だったこのシャーペンがさらに大事なものになったのは、私だけの秘密…








< 29 / 174 >

この作品をシェア

pagetop