ホントのキモチ 〜あなたに伝えたいこと〜
私と話を…?
「それなら直接言えって言ったんだけどさ…あいつ、女子とは滅多に話さないから、恥ずかしいらしくて……悪いけど、後で大輝にメールしてやって。」
細川くんにそう言われ、私は頷いてその紙きれを受け取った。
岸本くん…
何か理由があるのかな?
委員の仕事が出来ない理由が…
その日の委員の会議は岸本くんのことばかりで、全く話し合いが進まなかった。
家に帰った後、私は細川くんに言われた通り、岸本くんにメールを送った。
しばらく待つと返信が来て、私はやっと岸本くんが委員をやめたいと言った理由がわかった。
彼は…
バンドを組んでいたのだ─
将来の夢を追いかけて、毎日練習をしているとメールには書いてあった。
私はそれを見て、なんだか羨ましいなぁ…と思った。
怒ることは…
出来なかった。
私はこれからの委員の仕事は全部私に任せてくれていいから、バンド頑張ってと返信した。