ホントのキモチ 〜あなたに伝えたいこと〜
ここは北海道。
マイナス気温の寒さに慣れていない私にとっては、室内でも寒いくらいなのに…
特に顔辺りが…
熱く感じるんだ。
多分今…
顔、真っ赤だと思う─
どうしてなんて言われても、説明出来ないけど……
とにかく今は、村沢に私の顔を見られる訳にはいかない。
「薬……あげたいけどな、決まりだからダメなんだ…」
顔を伏せたままの私に、村沢はそんな決まりがあることを話してくれた。
そうなんだ……
「俺、お前が苦しんでるのに何も出来ない…ごめんな、秋山……」
「…別に、いいよ。」
まだ痛むお腹を押さえながら、私は顔を上げずに村沢に言う。
「私がお腹痛いのは、別にアンタのせいじゃないし……」
いつものように、ぶっきらぼうに言うけどね……
私はこの時、村沢のその気持ちが嬉しかったんだ。
『優しいな』って…
そう思ったんだ。