ホントのキモチ 〜あなたに伝えたいこと〜
「じゃあ……」
私の素直じゃない言葉を聞いた村沢は、何を思ったのか私の隣にやって来て、普通に座った。
一瞬だけ顔上げたから…
見えたんだけどね。
でも…
隣はヤバくない?
目の前でもヤバイのに…
そう思っていると、急に何かが私の肩にかけられた。
これは…
村沢の……ジャケット?
「こんなことしか出来ないけど、せめて……な。暖かくしてれば、治ると思うし。」
「村沢………?」
顔を上げると、隣には私の方を見て笑顔を浮かべる村沢がいた。
「やっと顔上げてくれたな。」
そう言って、村沢は私の頭をそっと撫でた。
ちょっ……
この状況、なに……?
「…もうすぐ観光の時間終わるから。あ!帰りのバスだけど、お前は立花【タチバナ】先生がいるバスに乗るから、お前のクラスのバスじゃなくて、俺のとこな。」