ホントのキモチ 〜あなたに伝えたいこと〜

｢先生たちも今打ち合わせ中だって。なんか、劇やるとか言ってた。｣



ある旅行委員の子が、思い出したかのように言う。



へぇ……
劇、か。



ちなみに私たちは、総合司会、有志参加の人たちや先生たちへのｲﾝﾀﾋﾞｭｰ、ﾌﾟﾛｸﾞﾗﾑの最後にみんなで一緒にﾀﾞﾝｽをすることになっている。



これらの仕事は、旅行委員の人たち以外には全て秘密にしてある。



やること言っちゃったらつまんないしね──



｢私たちの仕事も秘密だけど、先生たちの劇の内容も秘密だよね……どんなのやるんだろ？｣



瑞穂がそう呟いたのを聞いて、細川くんも頷く。



｢面白いのかな…？なんかｽﾍﾞりそうな感じする。｣



細川くんの隣にいた山口くんがそう言うと、友達の田中 祥太郎【ﾀﾅｶ ｼｮｳﾀﾛｳ】くんも頷く。



……可哀想。
言われてるよ、先生たち。



｢ま、今は自分たちの準備に集中しようぜ！祥太郎、あそこの振りだけどさ……｣



細川くんの言葉で、旅行委員のみんなはそれぞれの担当の準備を始めた。