ホントのキモチ 〜あなたに伝えたいこと〜
「…………」
なんか最近色々あり過ぎて、頭がおかしくなりそう。
いや……
もう既におかしいのかも─
「あ!圭悟先生〜!!」
……え?
見学者ツアーが終わり、ホテルに帰って来た私たち。
一息ついたと思っていたら、見学者の女子がスキーウェア姿の村沢を見つけ、側に走って行った。
「…ったく、元気だよね〜、あいつら。本当はスキー出来るんじゃないの?」
楽しそうに話す彼女たちと村沢から距離を取り、ソファーに座ったところで私の隣にいた瑞穂が呟いた。
ちなみに、瑞穂も見学者の1人。
「そう、だね……」
なんだろ…
この変な気持ち。
「圭悟先生、か。スキーウェアも割と似合ってるじゃん♪ね〜、秋山ちゃん?」
「……うん。」
わかんない…
こんなの、今までなかった。
「どしたの?秋山ちゃん。なんか変だよ……大丈夫?」
瑞穂が何か言ってるけど、話の内容が耳に入って来ない。
私はただ一点……
笑顔の村沢を、見ていた。