ホントのキモチ 〜あなたに伝えたいこと〜
みんなの視線を浴びながら、村沢は黒板の前へ。
「え〜…今日は神野先生がお休みのため、急遽俺が授業します。で、どこまで行ってんの?」
やっぱり──
そういうことか。
「やったぁ!私、圭悟先生の授業初めてだよ〜♪」
瑞穂は喜んでるけど…
私は喜べない。
遠くなった距離は、そう簡単には元に戻らない。
だから…
村沢の姿を見れば見るほど、辛くなるだけなんだ─
『戻りたい』と思う自分が、今の自分を冷たい目で見ているようで……
悲しい。
それからというもの、神野先生が学校を休むことが増え、その度に村沢がピンチヒッターを務めた。
最終的には神野先生は長期休暇を取ることになり、村沢が臨時担当として私のクラスを受け持つことに─
詳しいことは……
よくわからない。
けど、神野先生と同じ1年生の先生に聞いてみると、彼女は病欠らしいと言っていた。
タイミング良すぎだよ…