ホントのキモチ 〜あなたに伝えたいこと〜
げっ……
「圭悟先生じゃ〜ん!」
休憩モードの私たちの前に現れたのは、村沢だった。
「なに?お前ら……勉強?」
「うん、口頭試問だよ。」
他のみんなが村沢と喋る中、私はさっき閉じたばっかりの英語の参考書を開き、村沢の方を見ないようにした。
「へぇ〜…口頭試問、か。どんな感じのやつ?」
「……!」
その直後、私の参考書は村沢に奪われた。
みんなと話してるから、私なんて見てないだろうと思ってたのに……
よりにもよって、なんで私のを取るの…?
「ちょっ…返して!」
そう思いながらも、私は村沢から参考書を取り返そうとした。
けど…村沢は参考書を背中の後ろに回したり、背の高さを利用して頭の上に上げたりして、私の手を巧みに避けた。
もう……!!