ホントのキモチ 〜あなたに伝えたいこと〜
「はい、次秋山の番!」
お得意の笑顔を浮かべながら、村沢は私の答えを待っている。
「い、いない…よ。彼氏なんか……」
いたらびっくりだし。
てか、この空気で聞き流してしまいそうだったけど、さっきの村沢の答え……
あれからいないんだ…彼女。
なんか…意外だな─
「ふ〜ん……ま、そうだろうとは思ったけどな。」
「…どういう意味?」
その言葉……
だいぶ失礼じゃない?
「えっ…い、いや別に…大した理由はないけど……なんとなく?今の秋山って、片思いしてるようなイメージあるからさ。」
……………
か、片思い……?
村沢って…
意外と鋭い。
今日は、村沢の意外なところばっかり見てる気が─
「もしかして……当たってる?」
「し…知らないっ!!」
村沢がそう言って私の顔を覗き込んできたから、私はそっぽを向いて化学の教科書を開いた。
「……図星、か。」