笑顔
振り返ると、小さな女の子が座ってる。


今にも泣き出しそうな真っ赤な顔。



「あっ、ゴメンね。大丈夫?」

そう言ったって子供には通用しない。


あー…、泣き出しちゃった。

どーしよー。


『あき泣かないの。だから走っちゃダメだって言ったろ。』


オロオロしてる私の元へやって来た人に、『パパァ…』って抱きついて泣きじゃくってる。


少しホッとした。


「スイマセン。私の不注意で。ケガ有りませんか?」


『大丈夫です。こちらこそ申し訳ない。目を離した隙に…』


子供をあやしてたお父さんが顔を上げて、止まってしまった。


でも、止まってしまったのは私も一緒。




「黒澤さん………?」




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