笑顔
今日もいつもと同じ時間同じ場所で飲んでる。


「ねぇ充聞いてよ。この間さぁ、新しい上司が来たんだけど、大人の色気って言うの?凄い格好いい人なの。これって神様がくれた新しい出会いだよね。」


今日も私の話を静かに聞いてる充。

いつの間にかお互い名前で呼ぶようになった。
でもそこには変な感情は一切無い。有るのはお互いを干渉しないという居心地の良い場所。


「どうしよう。どうしたら上手くいくかなあ。」

『取りあえず、その相手の事もっとよく分かってから動けよ。砂羽は突っ走っちゃうとこ有るからなぁ。』


「そんなこと…」

『無いなんて言い切れないだろ?』


「ううっ…」


反論出来ない。
何気に良く見てるんだよね。

こんな時は立場が逆転しちゃう。


『しっかりしろよ。応援しててやるから。』

そして飛びきりの笑顔。

そんな笑顔を向けられちゃうと、今だにドキッてしてしまう。


でもそんな笑顔に負けないように満面の笑みを浮かべて、

「有難う。私頑張るから。」


そして気合いを入れるかのように、顔の前で手を握って拳を作った。
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