年下王子とお姫様
私たちは
同じ列だったけど
菜央が一番前で
私が一番後ろだった。
「微妙だねー。」
と、菜央がしかめっ面。
「まぁ、同じ列だし。まだマシじゃん。」
「あっ。花恋の隣楠くんだ。」
えっ?
そう思って隣を見ると、
「ホントじゃん…。」
そう言って私は
自分の座る席を見た。
そこには楠くんが
もう座っていて。
その彼を囲む女の子達。
あの隣に座るんだよね?
行きにくいよー!
「あの席座る自信無いんだけど。」
菜央に訴えると、
「頑張れ〜。ほら!もうチャイム鳴るよ?」
「うぅ〜っ!じゃあまた後で。」