はじめてのCHU
輝く汗
次の日の夕方頃。
私はグラウンドに行ってみた。
また、麗がいるかもしれないと思って。
『また明日っ♪』……何て言うんだもん。
会えるかなって期待くらいしちゃうよ。
…お!やってる、やってる!!
ラッキー♪
今日はりゅーきも一緒だった。
あ、春岡先輩もいる。
「れ-----……………ぃ…。」
私は精一杯、息を吸い込んで麗を呼ぼうとした。
呼ぼうとしたけど、呼べなかった。
麗の姿があまりにも一生懸命すぎたから。
「麗……。」
私はしばらく麗を見つめていた。
声をかけるか、かけまいかの問題ではない。
一生懸命に壁当てをしている麗の姿は、とても魅力的だった。
今にも麗に吸い込まれてしまいそうなくらい。
ボールを投げるたんびに、乱れる髪。
動いて乱れる麗のTシャツ。
額から流れる汗。
そして何より。
真剣にボールを見る、麗の眼差し。
その全てもが見るものを魅了するようだった。
目が離せない。