はじめてのCHU
りゅーきや春岡先輩も十分カッコイイ。
けど。
麗とは何かが違う気がした。
こう思うのは私だけかもしれないし、私の勘違いかもしれないけど…。
目に映っているのが、野球ボールだけじゃない気がした。
甲子園でもない何か…
その麗の目に映っているものは、もっと。もっと。
大きいもので。
そして、それはきっと、麗にとっては命よりも大事なもののような気がする。
何だろう。
何かは分からないけど…。
とにかく、すごく引き付けられるオーラを放っている。
結局、私は声をかけずに家に帰った。
正確には、声をかけられなかったんだ。
あまりにも麗が真剣すぎて。
いつも見かけるときは、暗いから顔とか見えにくくて分からなかったけど……。
麗はいつもこんなに真剣に練習をしていたの?
それを私は邪魔していたの…?
改めて私の心に罪悪感がうまれた。