はじめてのCHU

りゅーきや春岡先輩も十分カッコイイ。

けど。

麗とは何かが違う気がした。

こう思うのは私だけかもしれないし、私の勘違いかもしれないけど…。

目に映っているのが、野球ボールだけじゃない気がした。

甲子園でもない何か…

その麗の目に映っているものは、もっと。もっと。
大きいもので。

そして、それはきっと、麗にとっては命よりも大事なもののような気がする。

何だろう。
何かは分からないけど…。

とにかく、すごく引き付けられるオーラを放っている。




結局、私は声をかけずに家に帰った。
正確には、声をかけられなかったんだ。

あまりにも麗が真剣すぎて。

いつも見かけるときは、暗いから顔とか見えにくくて分からなかったけど……。


麗はいつもこんなに真剣に練習をしていたの?
それを私は邪魔していたの…?


改めて私の心に罪悪感がうまれた。

< 21 / 112 >

この作品をシェア

pagetop