はじめてのCHU

今日は部活だった。
昨日できなかった分、今日は結構ハードな練習だった。

「りく!…昨日、会えなかった……。」

帰り際に麗が話しかけてきた。

チワワみたいな目をしている。
…可愛い…。

「…だって。あんなに真剣に練習してるんだもん!声なんかかけられるワケないじゃない!!…………あ。」

何言ってんだ私ー。
これじゃあ私は麗に会うためにグラウンドに行ったみたいじゃない!!
あー恥ずかしい///

「え、何?!昨日、来てくれてたの!!?えっ?全然気づかなかったぁぁ。あ゙あ゙あぁぁ」

さぞかし悔しそうに言う麗。
ちょっと嬉しい。

「あ、えっと。その…「あぁ、昨日?夕方頃に来てたよ?」

私が最後まで話し終える前に、春岡先輩が言葉を重ねてきた。

「そ、そうなんすか?!あ゙゙----」

麗が、また絶叫する。

「そんなに残念がること?」

絶叫する麗にグサッと一言、言ってみる。

「べべべ……別にー残念がってるわけじゃないし。」

目、めっちゃ泳いでんですけど…(笑)

「昨日またりくに見つめられちゃった〜♪」

だからあんたじゃないってば!!
そして顔近いから!!!

「もしかして〜りくってー俺のこと好きだったr「違いますからご安心を!!!!」

今度は私が言葉を重ねてやった。
まったく。
悪いけど、春岡先輩といると疲れる…。
そして、勝手に好きだとか言って、正直迷惑。
いつもこんな風にして、女を落とし入れているのだろうか…………。

< 22 / 112 >

この作品をシェア

pagetop