はじめてのCHU
私は昔を思い出す……
そう。
思い出したくもないあの日を。
「小さい時……あれは、私が野球と出会って間もない頃だったっけな。おじいちゃんは大の高校野球ファンで、高校時代には甲子園を目指していたそうよ。」
「でも叶えられなかったんだって。だから、おじいちゃんはその思いを子へとね。」
「でも、生まれてきたのは女の子でガッカリしたみたいなの。ひどいけど…(笑)それでもね、子がダメなら孫にって。強く思っていたみたい。」
「それから生まれてきたのが私で、また女の子で……。ガッカリしたでしょうね…。それで弟が生まれ、おじいちゃんは弟に夢をたくす事にしたの。」
「良かったな。じいちゃん。」
「うん。でもね、弟だけじゃやだって。私も、おじいちゃんの夢を継ぎたいって思ったの。それでマネージャーになる事にしたんだ。」
「それからは毎日、おじいちゃんと甲子園を目標に頑張ってきたわ。……ま、いくら頑張ったって私は選手にはなれないから意味ないんだけどね…。」
「で、おじいちゃんに野球部のマネージャーになって絶対甲子園に行くって約束した日……」