はじめてのＣＨＵ

｢えっとねー、うんっとねー……｣

｢……なぁに？｣

｢…あぁ〜えっと……｣

｢もう！さっさと言って！！！｣

私がなかなか言わないで、ウダウダしていると、梨亜の少し怒ったような声が飛んできた。

｢………麗って狭いとこ、嫌いなんだって………｣

…………………

｢……はっ？！散々焦らしておいて、聞いてほしかったことはそれ？！……ったく、言いたい事は、それじゃないでしょ？！｣

あ、バレた？

｢…な、何で分かんの……？｣

｢あんたの、その顔見てれば分かります〜！｣

あ、やっぱ…？！

｢えっと…あ、あのね。そこまで真剣な話しでもないんだけど、どうも前から引っ掛かる事があって……｣

｢引っ掛かる事って？｣

｢ん〜………何かさ〜、私、前に麗に会ったこと、あると思うの。前って言っても、ずぅーっと前。思い出せないけど…。麗は覚えているみたいなんだよねぇ…｣

｢ふぅん？｣

｢何かねー…会った時からなんだけど、凄く懐かしい感じがするの。気のせいかな…？｣

｢うぅーん…私には何とも言えないけど………｣

｢私…前から麗の事好きだったみたいな感じで………不思議な感覚なんだぁ｣

｢……私には、よく分からないけど、これだけは言えるわ｣

｢なぁに？｣