はじめてのCHU

バッ

私は後ろを振り返る。

「…あ………あり…??」

梨亜じゃない?!?!

………………

「は、は、は…………春岡先輩!!?は、ははは、離れて下さいっっ!!!!」

そう。
抱き着いてきたのは、梨亜ではなく、まさかの春岡先輩だった。

ヤダ…………
麗の前なのに………
誤解されちゃうよ……

「ちょっと来て……」

春岡先輩は耳元で言うと、私を部室の外へと促した。

春岡先輩の後ろに何気なく着いていく私。

その時、麗が春岡先輩の事を睨んでいたとも知らずに。



…………ちょっと来てって…何の用だろう…。


春岡先輩は歩みを止めた。
それに釣られて私も、止まる。

「あ…あの、話って………。」

「キスして!!」

……………………

「は……ぃ??」

「だからキスしろって言ってんの!!!」

いきなりキスって言われましても……。

「あ…あの…どうして……ですか?」

「お前の事が好きだから」

あぁ、そういうことね。
ふぅん………って、え?!

そういうことって、どういうことよ、私!!?

「…あ…でも私……」

「いいから!!………キスして」

あぁもう!!!
しつこいなぁ。

「私は!!…………ッッ」



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